《 自然エネルギー導入に関する提言書 》
~再生可能エネルギー系統接続保留問題への提言~
はじめに
平成26年7月に発表された沖縄電力の再生可能エネルギー申込の保留、また先月発表された九州電力に続き、四国電力、東北電力も申込の一時保留を発表した。
すでに東京電力や関西電力に関しても、一部のエリアで接続が困難な状況であると発表されている。
私たち一般社団法人日本PVプランナー協会は、主に太陽光発電の普及促進に長きにわたり、従事してきた。
これはひとえに日本国の国策であるとの理解の上である。
今回の九電ショックとも呼ばれる一連の状況に対し、当協会も再生可能エネルギーの真の健全な普及を目指す立場から以下のように提言する。
提 言
1)今回の一時保留自体は支持をするものの、再生可能エネルギー普及の足を止めぬよう、極力早期の解決を希望する。
2)国民不在で一部の権益のみで語られるのは、言語道断である。国の介入を強く希望する。
3)今後のエネルギー政策は日本のみならず、世界にとって非常に重要な問題である。エネルギー電源の選択は国民が行うべきである。
4)欧米のように、再生可能エネルギーを最優先給電に指定するべき。そのうえでベストミックスを決定していく。初めに既存電源(原子力発電等)ありきでは議論は前には進まない。
5)今回のFIT政策では、一定の結果は出たものの、地域が置き去りにされた感がある。
国も推し進めるようにスマートコミュニティ、分散型電源を目指し、地域性に配慮した案を採用していくべきである。
6)上記の提言を踏まえた上、国は各電力会社に対し、今後の接続可能容量などの情報をできる限り早急に、また透明性をもって開示するよう求めるべきである。
7)再生可能エネルギーの普及促進という、国の方向性を踏まえ、多くの民間企業がこの事業に乗り出している。今回の電力会社による突然の通告により、大きな衝撃となり、業者の混乱と不安を招いている。民間企業やユーザーの損害を最小限にとどめるよう努力すべきである。
以下具体的な案として
○揚水力発電などの有効活用。
○早期の系統網増強。
現在は発電事業者負担となっているが、本来は公共事業にて行うべきである。
○地域間の連系線の整備及び活用。
現在使用できる連系線はすぐにでも使用すべき。またさらなる増強も必要と考える。
○天候や発電実績に基づいた、再生可能エネルギーを最大限に活用するためのインフラ整備。
現状のままでは、あくまでも理論上の最大発電時と系統の最小負荷時のバランスでしか運用することが出来ない。365日24時間、全国で予測運用していく必要がある。
○地域性についての配慮。
このままでは地域を無視した発電所建設に歯止めがきかない。
地域の経済や安全に配慮したプロポーザルを選択していく仕組みが必要である。
○市場のエンドにて事業を行っている我々の感触では、相当数の認定済み案件が実現不可能なものととらえている。
認定済み案件の正確な洗い出しが必要である。
以上が我々の提言となる。いずれにしても国や電力会社は情報に透明性をもたし、出来る限り早期の解決をするべく、国民全体で議論していくべきである。
平成26年10月13日
一般社団法人日本PVプランナー協会
理 事 長 林 浩 司